地域共生を支える・医療・介護・市民
全国ネットワーク 第3回全国の集いin福岡

地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク第3回全国の集いは113日・4日に福岡の中村学園大学で開催されました。今回の大会のテーマは「みんなで考える地域共生」でした。

あいち診療会からは言語聴覚士の尾川真菜が、あいち診療所グループの社会福祉法人淳涌界からは看護師と理学療法士2名の合計3名が大会の発表者として登壇しました。

その内2人の発表が「興味のある発表なので来年もその後について発表を」という意味のあるフォローアップ賞を獲得しました。残る1人は優秀賞に匹敵する発表でした。

この会は当診療所で準備会を開催して成立し、三十四年の歴史のある「在宅ケアを支える診療所市民全国ネットワーク」が、「地域医療研究会」と発展的に統合して生まれたものです。

大会の開催地となった福岡市は「認知症フレンドリーシティ」として国内外から注目され、認知症の方が自分らしく活躍できる街を目指している自治体です。

アドバンス・ケア・プランニング

魅力的な講座が盛り沢山でしたが、アドバンス・ケア・プラニング(ACP)に関するメインシンポジウムでは、皆さまにも知っていただきたい極めて重要なことが議論されていましたので、ここに紹介いたします。

ACPは人生の最終段階において本人・家族・医療者が共に話し合い、患者本人が望む人生を予め共有しておくこととされていますが、状態の変化により、思いは変化しますし、認知症になり意思表示ができなくなることも少なくありません。

足が腐り始め、切断しないと全身に細菌が回って死に至る可能性が高い高齢女性の足の切断手術の実施の決定は医師にはできなかったとの報告がありました。その方は戦で手を負傷して何の説明もなく右手が切断され70年近く不自由な生活を送ってきた方でした。切って命を助けてほしいという息子さんと、切ってほしくないというご本人に結論をゆだね切断しないことを選択したとのことです。

このような瀬戸際の時に、本人が自分の口で伝えられる状況ではなかったとしたら・・。様々な想定で「この場合はどうする」ということを文章化することには限界があります。ACPの本質はどのような状況でも家族や医療者を含めた周囲にいる人が本人の希望を叶えた判断ができるように、様々なことについて話し合いを繰り返すことにより良好な人間関係を紡いでいくことではないか、とのことでした。皆様準備はできていますか。

あいち診療所は病気を診るだけでなく人と人との繋がりを大切にしようとしています。皆さまも暖かい人と人の繋がりのある地域づくりにご参加ください。(文責渡邉)


『福岡大会 開会式』


『言語聴覚士 尾川真菜 発表の様子』

新入職員紹介

重度心身障がい児・者受け入れサービス
滝の水 憩いの学校
看護師 梶田 麻友美

四月より滝の水憩いの学校にて看護師として勤務させていただいています。

暫く介護施設で勤めていましたが、身近な知り合いが事故により障害が残り、今現在様々なサポートを受けながら過ごしている姿を見て、私自身も微力ながらそういう仕事に携わっていきたいと考え、もう一度学び直す覚悟で来ました。

実際、ご利用者様一人ひとりの個性を知り、かかわっていくというのは決して簡単な事ではありませんが、ご家族様の考えや接し方などから学ばせて頂きながら、関係をつくっていけたらと思っています。ご利用者様が安心して楽しく過ごしていただく為に、ご家族様にも安心して預けて頂けるように必要なサポートができるよう、日々精進してまいりますのでよろしくお願い致します。

あいち診療所野並
看護師 青木 圭子

十月一日付けで外来看護師として入職しました青木圭子です。簡単に自己紹介させていただきます。

1973630日生まれの蟹座、血液型A型です。高校卒業後に働きながら看護学校に通い資格取得しました。猫が好きでオスのスコティッシュフォールドと暮らしています。可愛いです。仕事は、9月までツクイデイサービスで働いていました。デイは好きですが、医療にも携わりたいと思い、あいち診療所野並で働かせて頂くことになりました。

よろしくお願いいたします。

有限会社ナインアンドフォー
旅行事業部
部長 小野寺 裕治

ナインアンドフォー旅行事業部の小野寺と申します。縁あって犬飼社長からお誘いいただきナインアンドフォーに入社しました。

前職は大和リゾートというホテル運営会社に40年勤務し定年後お世話になった次第です。旅行事業部のサブタイトルが「旅エスコート」で利用者のニーズに寄り添いエスコートするというコンセプトが込められています。

事情があって普通のツアーには参加できないとうお客様でも安心してご旅行いただけるプランニングをいたしますのでお気軽にご相談下さい。

福祉旅行の三つのお約束

①旅エスコートの福祉旅行はゆったりした行程をつくります

②添乗員も介護職員初任者研修修了者が行います

③バリアフリーの行程、食事は椅子・テーブルで行います

有限会社ナインアンドフォー
旅行事業部 酒井 紀裕

8月から旅行事業部に勤務させていただいております酒井と申します。

私は長年、旅行会社で企画営業をしておりました。また団体旅行の添乗員として日本全国の温泉地も多く巡りました。(個人的には下呂温泉が大好きです。)

数年前に発生したコロナウィルス流行により旅行業界は壊滅的な状況となり私も職を離れたのですがこのたび天命かの如くご縁をいただき、あらためて旅行業務に従事できる事となり心から感謝いたしております。今後は福祉旅行のほか、団体旅行、個人旅行を獲得するため邁進してまいります。さらに職員のみなさまの福利厚生として旅行のお手配でも微力ながらお役に立てれば幸いでございます。最後に入社後1ヶ月間の介護職員初任者研修を受講させていただきましたが座学や実技演習から介護を行うことの大変さを身に沁みて感じました。今後はそのような経験も活かせたらと思っております。何卒よろしくお願いいたします。

憩いの学校

野並通所リハ

大会での発表をおえて

あいち診療所野並
言語聴覚士 尾川 真菜

『言語聴覚士としてできること~看取りとリハビリテーション~』

今回、「看取り期における言語聴覚士の役割」というテーマで発表をさせていただきました。

リハビリテーションというと機能向上や活動性の向上というイメージが強く、看取りとは相容れないものと思われることが多いと感じています。しかし、リハビリテーションには機能や活動性の向上だけではなく、その人らしさや尊厳を大切にするという意味も含まれています。実際に担当した患者さまを症例に、看取り期における言語聴覚士の役割について考え、『食べる』ということを通しリハビリテーションとして最後までその人らしさを支援することができた一例を発表しました。発表を通して、リハビリテーション職が看取りに携わることの意義が他職種へ伝わり、より良い支援に繋がるきっかけになると良いなと思いました。今後も言語聴覚士として最後までその人らしさを支援できるよう、考え続けていきたいと思います。