地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク 第1回
全国の集いin湘南ひらつか2022
1993年にあいち診療所の在宅医療を紹介したNHKの番組をきっかけに作られ、日本の在宅医療の進歩に多くの役割を果たしてきた「NPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク」は、地域医療研究会と合併し【NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク】(略称は『地域共生全国ネット』)となりました。
地域共生全国ネットの目的は、「人が心身のみならず、社会的・経済的にも様々な問題を抱えても住み慣れた地域でともに支え合いながら、安心して子育てができ成長し最期まで生活することができる『地域共生社会』の構築及び維持発展に寄与することを目的とする」とされています。そんな新たな団体の第1回となる合併記念大会が『地域共生社会はみんなで支える。誰もが安心して暮らせるまちをつくる。』をテーマに掲げ、湘南ひらつかで9月18日・19日の2日間で開催されました。
新型コロナウイルスの猛威がふるい「withコロナ」という新しい時代のなかで、どのようにして多世代・多人種の人々と共生しより良い社会を作りあげていくのかを、医療・介護・福祉領域だけでなく市民のかたも交えながら語らい、交流する場となりました。
また大会プログラムの一つ、実践交流会では当院を代表して理学療法士の市川直樹が通所リハビリテーションで働くなかで学んだこと、実践してきたことを発表しました。
『通所リハビリテーションにおける理学療法士の役割』
理学療法士 市川 直樹
ご利用者さんが可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように支援をしていくことが通所リハビリテーションの目的です。 そこで働く理学療法士は身体の動きなどの機能訓練だけでなく、入浴動作や排泄動作といった日常の生活動作に介入を持つことが求められます。また、介入した内容をご家族や介護スタッフへの助言、情報の共有を行うことで、ご自宅での生活を過ごしやすい環境に整えるということも重要な役割の一つです。その実際の様子と介入方法をかえたことでの理学療法士の役割について感じたことを発表しました。
来年の地域共生ネットの全国の集いは名古屋で開催予定です。市民の方も参加できますので、介護をされている方、子育てをされている方、バリバリ働かれている方、どんな方でもお待ちしています。より良い社会をつくっていくために自分たちができることを考える機会としてみませんか。
お知らせ
例年10月に開催している、あいち診療会後援のイベント行事『笹原健康祭り』は、新型コロナウイルス禍であるため開催中止となりました。
私が大切にしていること
介護福祉士 髙木 紗希
私が日々心掛けている事は「相手の立場になって考える事」です。 特に「自分の言動に責任を持つ」「自分がされて嫌なことを他人にしない」「観察力を高める」この3項目です。
1項目目の「自分の言動に責任を持つ」では感情的になって、後先や周りの迷惑を考えない言葉を使ったり、言い訳をしないよう気をつけています。
2項目目の「自分がされて嫌なことを他人にしない」は、自分の意見だけを他人に押し付けないよう心掛けています。
3項目目の「観察力を高める」は介護の仕事にとって必要不可欠です。観察力を高める事で利用者様のニーズに応える事ができ、体調が悪い時を見極める事が出来ます。
この3項目を重点に置き、相手の立場になって考える事で、利用者様に快適に過ごして頂ける環境を提供するのはもちろん、一人ひとりが心掛ける事で職員も成長していけると思い日々仕事に励んでいます。
介護福祉士 松永 良介
介護職って何をする仕事だと思いますか?
ある方は「究極のサービス業」と答えています。数あるサービス業の中でも、介護の仕事は相手のニーズにとことん寄り添えるからだそうです。
その言葉を基に、私は「+αを考える」ことを大切にしています。
これは仕事に限らずですが、私自身優柔不断なところがあります。それ故に何がベストな選択かをいちいち考えてしまうのですが、裏を返せば深く考えることができるので、この業界において必要なことなのだと感じています。
ただオムツ交換をする。ただ言われたことをやる。それだけでは機械的なサービス提供ですし、思考が止まっています。+αを考えてこそ、私や相手の満足感がより高まるのではないでしょうか。
しかし現実問題、良かれと思って取り組んだことが必ずしもプラスに繋がるわけではありません。マイナスとなり落ち込むこともあると思います。でもそこで終わらず、良い意味で開き直ることができたなら、次への糧となります。
その糧を積み重ね、目指すべき「究極のサービス」のために、日々+αを考えていきたいです。
訪問看護師 水野 敏江
「もう、来てくれるな」まだ、私が在宅医療に携わって間もない頃、利用者さんのご家族から、先輩看護師を通して言われたことがあります。
未熟な自分が、利用者さんの生活に寄り添うことなく、独りよがりな一生懸命さを押し付けたこと、ほかの利用者さんの問題に目が行ってしまい、心ここにあらずであったことを見透かされてのことでした。
落ち込みました。
それでも仕事は毎日続きます。そんな中で、利用さんたちから教わったことや分かったことがたくさんあります。あの時私が言わせてしまったご家族のつらさ、くやしさ。あの利用者さんには二度と看護をさせてはいただけないのですが、私にできる唯一の償いは、これから出会う利用者さんに同じような思いをさせない事、目の前の人に真摯に向かい合うこと、自分を磨いていくこと。たくさんの宝物を頂きました。これからもよろしくお願いいたします。