在宅ケアの実践者発表 全国の集い

『在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク 第26回全国の集いin長崎・おおむら2020』が『ちゃんと決めんば、自分の最後~すべての人に最後はくる地域で育む人生会議~』をテーマとし、9月19日・20日の2日間にわたり開催されました。
昨年、新型コロナ感染状況を鑑み中止され、今年に持ち越されていた大会でしたが、ここのところの拡大状況から集合形式ではなく、リモートでの開催となりました。初めてのリモート開催となり、残念ながら中止となってしまった演題もあり、多少のアクシデント等はありましたが、新しい形での大会となりました。

この『在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク』は一九九三年に当院の在宅医療を紹介したNHKの番組をきっかけに作られ、日本の在宅医療の進歩に多くの役割を果たしてきました。
今ネットワークは大きく変わろうとしています。今回はランチョンセミナーという場で、創設メンバーでもある5人、あいち診療会の畑理事長、藤村理事、他2つの診療所メンバー、当時のNHKの番組ディレクターを加え、このネットワークがどう変わっていくのか、今後の在宅医療とネットワークの活動、次の世代へ未来の活動へのメッセージを伝えました。
また実践交流会では、3名の職員が現在の取り組みや皆様とのかかわりの中で学ばせていただいたことを発表させていただきました。
発表者と内容は以下のとおりです。

『訪問看護が生活過程を整えるとはどういう事なのか?』

看護師 井手 加奈子

訪問看護では患者の状態を把握し、必要なケアを提供するだけでなく、より良いケアが提供されるようケアキーパーに対して、介護のコツや看護技術を伝えることが大きな役割である。
今回は終末期に入り認知症も併発している方の、主介護者がヘルパーの資格を持っておりそのケアには何ら必要がないと思われる訪問看護を受け持った症例を通して、利用者の生活過程を整えるために家族にかかわるという事の意味について発表した。

『食形態選択における葛藤~リスク管理とQOL』

言語聴覚士 尾川 真菜

在宅生活を続けていく上では様々なリスクがあり、いかに管理し減らせるかが重要である。
言語聴覚士としては誤嚥・窒息予防と関連する摂食嚥下分野を担うことが多く、しばしば本人の摂食嚥下機能に見合った食形態と本人が望む食形態の不一致という課題にあたる。
今回、自宅での食形態調整やとろみ剤の使用が上手くいかなかったが肺炎等は引き起こさず、好きなものを食べることができQOLの維持が可能であった症例を経験した。言語聴覚士として何が出来るのか考察し症例を通して報告した。

『コロナなんかに負けない~安心な暮らしを守りたい~』

介護福祉士 藤村 さつき

新型コロナウイルスの感染が拡大しているなか、利用者様はもちろん私たち自身も自分の身を守るために懸命に感染防止対策に努めてきた。
しかし、その中で数名の利用者・職員も陽性であることが判明した。
営業再開後、自分たちでより自主的に感染対策が行えるように話し合い考える機会を設けた。当事業所における新型コロナウイルス陽性者の発生から対応、対策、今後の取り組みをまとめたので報告した。

私が大切にしていること

介護福祉士 高橋 千陽

仕事をしていく上で大切にしていること、それは日常でも同様ですが、感謝の気持ちです。
ありきたりに使われる『感謝』という言葉。探せば探すほど日常出てくる感謝を当たり前に感じてしまっているのが現実です。
名古屋デビューをしたのが3年前。何も知らない、何もわからない状態で、私はあいち診療所へ入職させていただきました。仕事以外のこともたくさん教えていただき、人の温かさを改めて実感。
人間だからできること、人間しかできないこと、そんなことをたま〜に考えながら過ごしています。
楽しく仕事ができること。声をかけてくださる利用者様に感謝。「これ、やりたいんだけど」、「どうしたら、こうできるんだろう」という考えるきっかけになったり。そして一緒になって考え、実行し、時には皆で大笑いし、そんな環境を作ってくれる診療会スタッフに感謝。そんな沢山のありがとうを大切に、これからも楽しく仕事をさせてもらいたいと思います。

ステーション事務 稲垣 隆子

「のなみ訪問介護ステーション」は看護師とリハビリステーション職員の訪問拠点の事務所です。
私はここの事務員で、仕事は電話などの連絡、補助的な事務仕事と雑用係です。
ここではいつも「行ってきます」「行ってらっしゃい」「お疲れさまです」といった挨拶が飛び交っています。
私が仕事の中で大切にしていることは「訪問スタッフの時間」です。
私は利用者様との直接的な関わりがそれほどない後方の役割なので、私が利用者様のお役に立てる事は、訪問するスタッフが本来の仕事をスムーズに行えるようにする事と考えています。
例えば、相手に連絡する時間と方法を考えること、訪問に直接関係することを優先する事、これは小さな事ですが、備品が常に置いてあるようにすること等です。
訪問するスタッフの方は昼時に事務所へ戻らない事も多く、遅くなってから昼食を取る姿もよく見かけます。これは利用者様と関わるための時間を最優先にしているからと思います。
私は微力ですが、そのように訪問するスタッフが守っている利用者様の貴重な時間を常に大切に考えて仕事をしたいと思っています。

あいち診療会 横山  厚

私はあいち診療会後援のイベント行事「笹原健康祭り」の実行委員に参加しています。
この祭りは町内会、職員、ボランティア、看護学生と共に連携し、地域住民と一緒になって祭りを盛り上げています。
しかし今年も昨年同様、10月開催予定だった「笹原健康祭り」は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、誠に残念ではありますが開催の中止を余儀なくされました。
来年こそは、皆様と共に楽しい「笹原健康祭り」を開催できることを切に願っております。
その時には、笑顔でお会いしましょう。

憩いの学校

野並デイケア

管理栄養士からのお知らせ「身体の外側と内側からの乾燥対策」